最後の雨音は白い夜に消える
ひとつめの夢
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心配していたが、私は、運よく、彼の夢にもぐり込めた。
手を繋いで寝たのが、良かったかもしれない。
辺りを見渡す。
しかし、ここはなんて世界だろう。
全てが四角い。
四角い太陽。
四角い雲が浮かぶ空には、かくかくとしたクジラが泳いでいる。
へぇ。
クジラのおなかってあんな感じなんだ。
おそらく、これはグラフィックの世界。
あいつは、よく古いテレビゲームをやっていた。
その夢。
よく見ると、お馴染みの緑色の土管が、地面に突き刺さってるし。
そう。
あいつは、本当によくテレビの前を占拠していた。
ゲームを始めたら、何時間でも。
私のことを無視して。
一緒にやっても、ヘタな私はついていけなかった。
でも、あいつが部屋に来てくれるから、
ゲーム機買ってみたりして。
隣で暇をつぶすのも、嫌いじゃなかった。
ゲームの邪魔したり、こっそりくっついてみたり。
ゲームに夢中なあいつと、
あいつに夢中な私。
今思うと、かなり、こじらせてるな、私。
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