最後の雨音は白い夜に消える





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いつも。

いつも私は間違える。


本当はそうじゃないのに。
心が走り出してしまう。
止められなくなってしまう。

そんなところを『かわいい』と言ってくれた。

でも、そんな彼は、いなくなった。


私は、都会の真ん中に座り込む。

人も車もない。

暗闇の中で、ただ、信号機だけが意味なく点滅している。


一目会いたかった。
会って『ありがとう』って伝えたかった。


あなたのおかげで、私は楽しかった。
あなたのおかげで、私は幸せだった。
あなたがいたから、私は生きていた。
あなたがいたから、私は歩きだせた。

だから、ただ『ありがとう』って、伝えたかった。


でも、実際に会えたら、
もっと、一緒にいたくなった。
ずっと、離れたくなくなった。


でも、そう思った。
心の底からずっとそばにいたいと。




私は、ゆっくり立ち上がった。
もう一度会おう。







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