癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
遙季は今でも゛自分は光琉の疫病神だ゛と信じていた。

だからこそ、頑なに光琉を避けている。

゛なのにどうしてわかってくれないの゛

遙季は隣に座った光琉を睨み付けた。

わかってもらうためには一度向き合う必要があることに気づいていながらも、遙季は気付かないフリを続けてきていた。

「遙季は他人の心には敏感なのに、自分の気持ちや、俺の気持ちには向き合おうとしないよな」

「本当にそうですよね」

食器を洗いながら、悠生が何度も頷く。

「ちょっと悠生、どっちの味方よ?」

「今は光琉さん、かな?」

遙季は、残りのオムライスを数口で食べ終わると

「ご馳走さま!」

と、逆ギレ状態でお金を置いて、大股でお店を出ていった。
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