癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
病院の正門に差し掛かったとき、後ろを振り返ったら光琉はいなかった。どうやら諦めたらしい。

ホッとした遙季は、バッグの中から携帯を取り出して時間を確認しようとした。

その時、遙季の隣に一台のRV車が止まる。

遙季が驚いて車に目をやると、運転席から出てきた光琉が、いきなり遙季を抱えあげて助手席に押し込んだ。

「ちょっ、何するのよ」

光琉も助手席から車に乗り込み運転席に移動、そのまま運転席からロックをかけられたため、遙季は逃げることかできなかった。

「とうとう、拉致監禁?犯罪だよ」

「こうでもしないと、お前と二人きりにはなれないだろ?」

光琉は、素早く遙季にシートベルトをかけると、信号が変わるのを見て車を発進させた。


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