癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
事情聴取が終わって帰宅した裕子と遙季を、光琉が玄関先で出迎えた。
心配もむなしく、遙季の様子は素っ気ない、というより何かがおかしい。
目は虚ろで光琉の方を見ようとしない。
事件のことで疲れているから、と裕子に窘められ、光琉はそのまま自室に戻った。
翌日の朝、遙季を迎えに行くと、すでに父親が車で送っていったあとだった。
電車が怖いと言っているから、と祐子が言った。
遙季に避けられていると感じたのは、遙季が生まれてからの16年間で初めてだ。
昼休み、いてもたってもいられず遙季の教室に行った。
遙季の同級生に、梨々香と一緒に購買部に行ったようだ、と聞き走って追いかける。
「遙季」
そう声をかけた直後、振り返った遙季は、何かに怯えるように
「来ないで」
と叫んでその場に倒れ込んだ。
駆け寄る光琉を制して、梨々香と遙季の同級生が、遙季を車椅子で保健室に運んだ。
光琉は何かが歯車を狂わせ始めたことに気づかない振りをしていた。
心配もむなしく、遙季の様子は素っ気ない、というより何かがおかしい。
目は虚ろで光琉の方を見ようとしない。
事件のことで疲れているから、と裕子に窘められ、光琉はそのまま自室に戻った。
翌日の朝、遙季を迎えに行くと、すでに父親が車で送っていったあとだった。
電車が怖いと言っているから、と祐子が言った。
遙季に避けられていると感じたのは、遙季が生まれてからの16年間で初めてだ。
昼休み、いてもたってもいられず遙季の教室に行った。
遙季の同級生に、梨々香と一緒に購買部に行ったようだ、と聞き走って追いかける。
「遙季」
そう声をかけた直後、振り返った遙季は、何かに怯えるように
「来ないで」
と叫んでその場に倒れ込んだ。
駆け寄る光琉を制して、梨々香と遙季の同級生が、遙季を車椅子で保健室に運んだ。
光琉は何かが歯車を狂わせ始めたことに気づかない振りをしていた。