癒しの魔法使い～策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦～
遙季は、そのまま祐子が迎えに来て病院に行ったらしい。心のケアをするところだ。

その日以来、毎日、遙季の父親である直樹の送迎が続いていたため、遙季と光琉の接触時間は極端に減った。

遙季の両親からも、しばらくはそっとしておいて欲しいと頼まれていたから、光琉も我慢していた。

週に一回、鈴村医療センターに通うようになった遙季は、少しずつ本来の明るさを取り戻していった。

夏休みになる頃には、以前のように光琉と勉強するようにもなった。

しかし、光琉がキスしようとしたり、体に触れようとすると

「まだ、男の人と近づくのが怖いの」

と言って、やんわり拒否するようになっていた。

光琉は遙季との身体的な接触だけを望んでいるわけではない。

だから、遙季の心が落ち着くまでは待とうと思った。

彼女の心と体を守れるように医者になろうと、遙季が進学を希望している地元の大学の医学部に進んだ。

２年後、遙季と同じ大学に通学することを夢に見て、遙季に真剣に勉強を教えた

なのに、，，

彼女は光琉から離れていき、遙季を胸に抱く日は８年間一度も訪れなかった。

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