癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
刺客再び
「遙季ちゃんー、とうとう人妻になっちゃうんだねぇ。最後に僕とデートしようか」

月曜日、二人で鈴村医療センターに出勤すると、雅祥がニヤニヤしながら遙季に抱きついてきた。

「鈴村先生、ひどいです。ずっと私を騙してたんですね。光琉とグルなんて!」

遙季は、プゥっと膨れながらも鈴村のなすがままだ。

すかさず二人を引き剥がす光琉。

「遙季への過剰なスキンシップでセクハラ被害を出しますよ?」

「お互い同意の上なら問題ないよね。遙季ちゃん?」

「はい、鈴村先生」

光琉はニヤリと笑うと

「じゃあ、俺も見せしめに梨々香ちゃんと抱き合うかな?」

「むむむ,,,ごめんなさい」

素直な遙季に雅祥が微笑む。

「まあ、良かったよ。これで僕の主治医としての役割は終わりだね。やっと終診だ」

精神医として憧れの雅祥。

「ずっと見守ってくれて本当にありがとうございました」

遙季は真面目な顔でお辞儀をした。

結婚まであと28日。

しかし、このあと二人に更なる試練が待ち受けていたのだった。
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