癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
雅祥は、朝のカンファレンスで光琉と遙季の結婚をスタッフに報告した。
同時に結婚式のために、来月一週間、二人が結婚休暇をとることも告げた。
お祝いを述べるスタッフ。
遙季は、意外と好意的な女性スタッフが多かったことに安堵した。
光琉が勤務するようになってまだ一週間なので、本気で光琉を好きになった女性がいなかったからなのかもしれない。
「ほら、気にするようなリアクションはなかっただろ」
「そうだね」
二人は笑顔で午前中の業務に励んだ。
昼の休憩時間、遙季はいつものように悠生のカフェバーに向かった。
光琉は内科のほうに急患が入り、コンサルテーションを受けたため今日は一緒には来なかった。
「よう、新婚さん。いらっしゃい」
「まだ新婚さんじゃない」
「えっ?光琉さんのことだからとっくに入籍したと思ったのに」
と、悠生が驚いた顔で言った。
カウンターの指定席に腰掛けながら、遙季は苦笑する。
「私の誕生日に入籍するんだって。4月15日」
「来週かーって、ハル、お前、まるで他人事だな」
「悠生も梨々香も、鈴村先生も両親も。みんなグルだなんて、他人事にもほどがある」
ため息をつきながら遙季はハンバーグプレートを頼んだ。
「えっ?雪村さん、結婚するの?」
足音もたてずに遙季の隣の席に移動してきた男性に、遙季は驚いて振り返った。
男性は、鈴村医療センターに勤める医療事務のクラーク。
加藤努(かとうつとむ)28歳だ。
愛らしい熊のような優しい笑顔。身長は170cm位で少しぽっちゃりしている。
遙季が鈴村医療センターに入職した年に、職場の飲み会で知り合ったのが最初の出会いだった。
同時に結婚式のために、来月一週間、二人が結婚休暇をとることも告げた。
お祝いを述べるスタッフ。
遙季は、意外と好意的な女性スタッフが多かったことに安堵した。
光琉が勤務するようになってまだ一週間なので、本気で光琉を好きになった女性がいなかったからなのかもしれない。
「ほら、気にするようなリアクションはなかっただろ」
「そうだね」
二人は笑顔で午前中の業務に励んだ。
昼の休憩時間、遙季はいつものように悠生のカフェバーに向かった。
光琉は内科のほうに急患が入り、コンサルテーションを受けたため今日は一緒には来なかった。
「よう、新婚さん。いらっしゃい」
「まだ新婚さんじゃない」
「えっ?光琉さんのことだからとっくに入籍したと思ったのに」
と、悠生が驚いた顔で言った。
カウンターの指定席に腰掛けながら、遙季は苦笑する。
「私の誕生日に入籍するんだって。4月15日」
「来週かーって、ハル、お前、まるで他人事だな」
「悠生も梨々香も、鈴村先生も両親も。みんなグルだなんて、他人事にもほどがある」
ため息をつきながら遙季はハンバーグプレートを頼んだ。
「えっ?雪村さん、結婚するの?」
足音もたてずに遙季の隣の席に移動してきた男性に、遙季は驚いて振り返った。
男性は、鈴村医療センターに勤める医療事務のクラーク。
加藤努(かとうつとむ)28歳だ。
愛らしい熊のような優しい笑顔。身長は170cm位で少しぽっちゃりしている。
遙季が鈴村医療センターに入職した年に、職場の飲み会で知り合ったのが最初の出会いだった。