癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
遙季はこの努が苦手だった。
初めて出会った日からしばらくして、
"結婚を前提につきあってほしい"
と告白されたからだ。
遙季は光琉が嫌いだから離れたわけではない。
誰とも結婚する気も付き合う気もサラサラなかったため、遙季はどうやって断ろうかと、悠生と梨々香に相談した。
二人が、遠距離恋愛の彼氏がいることにしておけ、と言ったのでそう言って断った。
努は納得してくれたものの、その後も、同じ職場の同僚として仲良くしてほしいと言われ現在に至る。
しかし、その後も誤解されたくはないので、彼と二人で会うことはせず、このカフェバーでたまに話す程度の関係を保ってきたのだ。
「例の遠距離恋愛の彼氏?」
「,,,そうです」
遙季の答えに、首を傾げてニコリと笑う努。
「もしかして、八代先生?」
「努さん、何で知ってるんですか?」
怪訝な顔をしてメニューを差し出す悠生。
だか、別の客に呼ばれて、悠生はカウンターを離れたため、意図せず遙季と努は二人になってしまった。
「精神科外来のクラークがさっき騒いでたからね。イケメン眼鏡の八代先生を雪村さんに盗られたって」
お祝いを述べてくれた精神科外来クラークの渡辺さんと高橋さん。
二人とも20代でとても可愛らしく、先週、光琉が職場に現れてから、カッコいいと騒いでいたのは知っていた。
「でもおかしいなー?雪村さん、先週はずっと八代先生を嫌がって避けてたんでしょう?クラークが言うには"近づくな"って雪村さんが叫んでたのも見たって」
「先週は,,,ちょっと,喧嘩,,,してたから」
嘘ではないと思う。8年に渡る喧嘩を、延々としていた。
「金曜日だって、ここで二人で言い争いしてたでしょ?週末に仲直りしたのかな?」
ニヤリと笑う努に気味の悪さを感じた。
「私と八代先生が結婚したらおかしいですか?」
「うーん、そうだね。少し違和感があるかな」
悠生がカウンターに戻ってくると同時に席を立つ努。
「スマホに仕事のメッセージが入ったから、今日は失礼するよ」
何も注文せず、悠生にメニューを返して席を離れた努に、遙季こそ違和感しか感じなかった。
初めて出会った日からしばらくして、
"結婚を前提につきあってほしい"
と告白されたからだ。
遙季は光琉が嫌いだから離れたわけではない。
誰とも結婚する気も付き合う気もサラサラなかったため、遙季はどうやって断ろうかと、悠生と梨々香に相談した。
二人が、遠距離恋愛の彼氏がいることにしておけ、と言ったのでそう言って断った。
努は納得してくれたものの、その後も、同じ職場の同僚として仲良くしてほしいと言われ現在に至る。
しかし、その後も誤解されたくはないので、彼と二人で会うことはせず、このカフェバーでたまに話す程度の関係を保ってきたのだ。
「例の遠距離恋愛の彼氏?」
「,,,そうです」
遙季の答えに、首を傾げてニコリと笑う努。
「もしかして、八代先生?」
「努さん、何で知ってるんですか?」
怪訝な顔をしてメニューを差し出す悠生。
だか、別の客に呼ばれて、悠生はカウンターを離れたため、意図せず遙季と努は二人になってしまった。
「精神科外来のクラークがさっき騒いでたからね。イケメン眼鏡の八代先生を雪村さんに盗られたって」
お祝いを述べてくれた精神科外来クラークの渡辺さんと高橋さん。
二人とも20代でとても可愛らしく、先週、光琉が職場に現れてから、カッコいいと騒いでいたのは知っていた。
「でもおかしいなー?雪村さん、先週はずっと八代先生を嫌がって避けてたんでしょう?クラークが言うには"近づくな"って雪村さんが叫んでたのも見たって」
「先週は,,,ちょっと,喧嘩,,,してたから」
嘘ではないと思う。8年に渡る喧嘩を、延々としていた。
「金曜日だって、ここで二人で言い争いしてたでしょ?週末に仲直りしたのかな?」
ニヤリと笑う努に気味の悪さを感じた。
「私と八代先生が結婚したらおかしいですか?」
「うーん、そうだね。少し違和感があるかな」
悠生がカウンターに戻ってくると同時に席を立つ努。
「スマホに仕事のメッセージが入ったから、今日は失礼するよ」
何も注文せず、悠生にメニューを返して席を離れた努に、遙季こそ違和感しか感じなかった。