癒しの魔法使い~策士なインテリ眼鏡とツンデレ娘の攻防戦~
2人が通う高校は県内では有数の進学校だった。
3年生の光琉は特進科に進み、大学進学に向けて本格的に調整を始めていた。
1年生の遙季は3組になり、中学からの親友である笹原梨々香とも同じクラスになることができ、高校生活も期待に満ちたスタートだった。
しかし、5月に入ったある日その事件は起こった。
美術部に所属していた遙季は、その日も18時過ぎまで作業をし、光琉の補講が終わるのを待っていた。
美術室には遙季しかいない。
「あなたが雪村さん?」
肩までのサラサラの黒髪に綺麗な顔立ちをした女子生徒がいきなり入ってきた。
3年生のリボンを着けているから3年生なのだろう。
「八代くんから伝言よ。遅くなるから先に帰っていて欲しいって」
その人は中村若菜と名乗り光琉と同級生だと語った。
「じゃあ伝えたわよ」
若菜はそれ以上何も言わずに、妖艶な笑顔を浮かべて美術室を出ていった。
3年生の光琉は特進科に進み、大学進学に向けて本格的に調整を始めていた。
1年生の遙季は3組になり、中学からの親友である笹原梨々香とも同じクラスになることができ、高校生活も期待に満ちたスタートだった。
しかし、5月に入ったある日その事件は起こった。
美術部に所属していた遙季は、その日も18時過ぎまで作業をし、光琉の補講が終わるのを待っていた。
美術室には遙季しかいない。
「あなたが雪村さん?」
肩までのサラサラの黒髪に綺麗な顔立ちをした女子生徒がいきなり入ってきた。
3年生のリボンを着けているから3年生なのだろう。
「八代くんから伝言よ。遅くなるから先に帰っていて欲しいって」
その人は中村若菜と名乗り光琉と同級生だと語った。
「じゃあ伝えたわよ」
若菜はそれ以上何も言わずに、妖艶な笑顔を浮かべて美術室を出ていった。