冥界の王子様
マリがいなくなったあの雨の降りしきる昼
いつもは俺が送り向かいをするのに
あの日は
まだ暗くないからと言うマリを1人で帰した。
マリが倉庫を出て数十分後
知らない番号から電話が鳴った。
その電話を置いた後、
しばらく何のことかわからなかった。
「今意識不明で病院に向かってる」
という救急隊員の言葉に体中汗ばんだのを覚えてる
そこからの記憶は曖昧だが
マリが運ばれた病院へ向かった
「実はたいした事ないんじゃないか」
とか自分の都合のいい方にしか考えたくなかった
「もしかしたら・・」
って考えると自分が自分でいられなくなってしまいそうだったから。
病院に着く頃には、
意識が戻っている事を祈りながら
病院まで走った。