冥界の王子様





だけどこれは助長で

悲劇はまだ終わらなかった




俺はあまりにも大きな喪失感に

押しつぶされそうになりながらマリの葬式を終え

スグルたちと帰っていた





その帰り道




再び俺の携帯が鳴った。



交通事故の知らせを受けた時を

フラッシュバックするような内容だった。




でも決定的に違ったのは

今度は被害者なのではなく

加害者になってしまったということ。





しかも暴走族同士の争いで。


一般人を巻き込んでしまった。






俺は一目散に病院に駆けつけ土下座した。


謝っても謝りきれない。



奥には泣きじゃくる俺と同じくらいの女の子




俺は大切なものを奪われたと同時に

大切なものを奪ってしまった。




いや、どちらも自分のせいなのか。



自分のせいで全てをめちゃくちゃにしてしまったのか。



その時の俺にそれを判断する力はなかった。








< 133 / 223 >

この作品をシェア

pagetop