冥界の王子様
だけどこれは助長で
悲劇はまだ終わらなかった
俺はあまりにも大きな喪失感に
押しつぶされそうになりながらマリの葬式を終え
スグルたちと帰っていた
その帰り道
再び俺の携帯が鳴った。
交通事故の知らせを受けた時を
フラッシュバックするような内容だった。
でも決定的に違ったのは
今度は被害者なのではなく
加害者になってしまったということ。
しかも暴走族同士の争いで。
一般人を巻き込んでしまった。
俺は一目散に病院に駆けつけ土下座した。
謝っても謝りきれない。
奥には泣きじゃくる俺と同じくらいの女の子
俺は大切なものを奪われたと同時に
大切なものを奪ってしまった。
いや、どちらも自分のせいなのか。
自分のせいで全てをめちゃくちゃにしてしまったのか。
その時の俺にそれを判断する力はなかった。