冥界の王子様
お互いの拠り所はここしかないから。
「レイナ?明日の予定は?」
「俺が倉庫に行く時どうしてる?」
私は荒魔照の倉庫にも外に出ることすら
あまりしなかった。
夕食は帰りに材料を買ってきてもらったりして。
家にいるってわかってるはずなのに
トウマくんは聞く。
この一年お互いの話はあまりしてこなかった
だけどどこかで分かり合えてるような気がする。
また私の勘違いかもだけど…
「ごめん。聞きすぎた…」
「ううん。」
あまり話しはしないけど
冬馬くんの好きなコーヒーと
私の好きな紅茶をのみながら
くっついてテレビを見たり。
寝るときに寄り添ったり。
その距離感がとても居心地が良かった。