冥界の王子様








「でも…」





ただただ涙が溢れて止まらない私を

優しく抱きしめてくれるトウマくん



この人を好きになったらどれだけ幸せなんだろうと思いながら



こんな時でもリクの顔が頭をよぎる。



もうリクはアイリさんとできてるのに。



本当にバカ、。








「わかってる。



返事は今じゃなくていい


ただ。俺を見てほしい。

俺のこと嫌いじゃなかったら恋人ごっこしよ?」







嫌いなんかじゃないけど…




トウマくんも伝えてくれたんだもん。



私も伝えなきゃ。ちゃんと想いを…







「私、まだリクのことが頭から離れない。」







「わかってる。だから今じゃ

「リクといるときは今までないくらい

ドキドキして。そばにいれると嬉しい。

トウマくんは

一緒にいると落ち着く。



これが恋かはわからない。


でも、リクはリクでトウマくんはトウマくん。

だから、全力でトウマくんを好きになる。



それでも

それでも
一緒にいてやるかくらいで考えてくれるなら


お願いします。」






これが今の気持ち。







「フッめちゃくちゃだな。お前…」





どう伝わったかはわからないけど




「ご、ごめん」





これが一歩だと信じて。






「ま、今更だけどな」




「え??」





「今まで以上に大切にする」






「うん…??」




てことは付き合うってこと…?





チュっ




「よろしくな」














< 175 / 223 >

この作品をシェア

pagetop