冥界の王子様








あれから数週間がたった。







付き合ったからと言って

何か変わったわけではなく

いつも通り過ごしていた。







ただ、あの日から私がまた外に出ることはなくなった…



やっぱり、覇天統のみんなに会うのは怖いから。


避けていた。









「なぁ、俺の母親の誕生日なんだけど…」




そうだあの日買ってないんだ…

はじめてのトウマくんからの頼み事なのに







「ごめんね

買ってくるよ」






「いや、一緒に行かないか?」







「え??」



予想外の言葉に驚きを隠せない。





「デートっていうか。

俺たち一応付き合ってるし」







“一応”とつけさせてしまうのは

私のせいなのかもしれない。

のどの奥が熱くなった








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