冥界の王子様
だけど、俺が強くなることを
レイナは望んでいない。
外に出たら
俺の変化じゃなくて今の覇天統を見て心配するだろう。
そんなレイナのこともわかっていたが
こんなにも好きなやつを手放す気にはならなかった。
だから賭けてみた。
母親の誕プレってことで買い物に行かせて
多分覇天統に会う。
その時レイナがどうするか。
まだ忘れられない自分の気持ちに気づくのか。
それとも戻ってくるのか。
それが今俺にできる最大のことだった。
これはレイナのため。そう言い聞かせて。