冥界の王子様
「なぁ。これでよかったんだよな」
俺はずっと疑問だった。
レイナにとってこれが良い道なのか。
「さぁ。それはレイナちゃんが決めることだからね」
レイナという言葉に体がピクリと反応した。
「そうだな」
あいつ。俺といて少しくらいは幸せだったかな。
っていつからこんな女々しくなったのか
「フッ…。
トウマ。強くなったな」
「は?」
タクはいま俺が思っていたことと真逆のことを言う
「最近の喧嘩負けなしだし。
その噂でふっかけてくるやつは多くなったけど」
「あぁ。まぁな」
たしかに喧嘩は強くなった。
多分、あいつのおかげだった。
これから俺は何を支えに生きてけば…
「今のお前、強くてカッケェ」
「は???!気持ち悪りぃな!
なんなんだよ急に!!」
「べっつにーー!恋する総長さんもいいなってな」
「おい!!ふざけんな」
そんなタクに笑わせられながらも
俺は心に空いた穴をどう修復するべきか
悩んでいた。