冥界の王子様
「レイナ。今まで…」
リクが何か言いたげにはなす
でもその気持ちに素直には応えることができない
「平気。トウマくんのとこ居心地良かったから」
これが私にとっての最大の反発。
でも嘘じゃない。
トウマくんは優しかった。
しかも
あの時選ばないですみませんってこと?
意味がわからない。
「そうか。なら良かったな」
リクだって開き直る。
さっきまでの態度はどこへいったのか。
「おい!リク」
「お前荒魔照の奴らに染められたんじゃないか?笑」
スグルさんの言葉を遮り
笑いながら冷たい目を向けそう言い放つ
染められたってどういう意味?
身体とかそういう話?
荒魔照の人たちはそんな人たちじゃないのに
だいたい私は私だよ?
リクってこんな冷酷な人だった?
私が知らない間にいろんなことが変わってしまって
本当は嬉しいはずだったのに
心に残るモヤモヤをはらせずにいた。