冥界の王子様
「ねぇ、お父さん?
やり直そうよ。」
「………?」
私たちは久しぶりに目を合わせた。
「私、この家出てく。」
「なんだ、お前も捨てるのか」
「ううん。違う。
お父さんと私は家族だもん。
捨てるなんてそんなことするわけない。」
「家族?笑。
お前頭狂ってんのか?
家族だって所詮他人だろ
お母さんだって俺たちをおいて
死んだじゃないか」
「たしかにそう。お母さんは死んだ。
でもそれはもう変えられない過去なの。
お母さんは死にたくて死んだんじゃない。
だから、私達はお母さんの分まで
ちゃんと生きなきゃ。
昔みたいにおとうさんと仲良くなりたいよ」
そう。昔みたいに。
笑いあったり…したい。
「レイナ…」
「一からやり直したい。」