冥界の王子様
大切なもの
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あれから3年…
私は隣の街に暮らしている。
おとうさんには週に一回あって近況を報告する仲だ
昔やられたことが許せたわけじゃないけど
許さなくていいことだと思えるから
会うことができる。
あれから職に迷ったが児童養護施設の職員になった。
私なんかよりよっぽどひどい過去を持ってる子供たちにたくさん会った
もちろん辛いことに順位はつけられないけど
一方的な価値観の押し付けや、
きょうだいの差別、
パチンコのために子のお金をむしりとる親、
崩壊した家庭から子供を置いて一人だけ逃げ出した父、
子どものすべてを許すことで支配しようとする母、
そんな子供たちと向き合うことで
自分の過去もお母さんお父さんへの思いも
少し整理ができた。