冥界の王子様
「ねぇ、レイナ先生?」
「ん?どうしたの??リオちゃん」
高校一年生のリオちゃんは私の過去と似ていて
お母さんが亡くなってから
お父さんに性的虐待を受け
この施設に逃げ込んできた所保護された。
一見普通の可愛い女の子
誰もそんな過去があることを予想しないだろう。
「先生は恋、したことある?」
そう真剣に話す。
「ある…かな
リオちゃんもしかして恋してるの?」
急な質問に戸惑いつつも聞き返した。
「うーん。」
恋か。
多分私の恋はリク…あなただった。
「そっか。
でも、急にどうして?」
どこか切なげでどこか希望に満ちた
なんとも言えない表情で私を見た
「こんな私でも恋愛とか結婚とかできるのかなって
私の過去の話たらきっと重いって。」
「リオちゃん…」
「しかも思い出すの。
布団に入るとお父さんにされたことを…
こんなんで結婚とか幸せな家庭とか築けるのかな」
その問いに答えることができなかった。
私は確かに恋はしたけど。
一生のパートナーには出会え…てないか。