冥界の王子様
「お先に失礼します」
「「お疲れ様です!」」
私は足早に仕事を片付け施設を出た。
今日はお父さんと会う日だから。
久しぶりに実家まで会いに行く。
あれからあの街に行かないようにしてた。
誰かに会いそうで…
会いたくないわけじゃない。
むしろあってお礼がしたい。
荒魔照や覇天統のみんな
そしてなによりトウマくんやリクに。
だけど、会いに行く勇気もなくて。
今更どんな顔をして会えば良いのかもわからなくて
ずっと避けていた。
もしかしたら会えるかもしれない
少しの不安と少しの期待を持って
私はあの街に足を踏み入れた。