冥界の王子様





ネオン街は相変わらず治安が悪そう。



変わってないな…




だけど、この三年で自分が成長したのか




コンビニの前に座りタバコを吸ってる少年を

冷静に見ている自分がいた。




つい最近まであっち側の人間だった私が




今は仕事について働いて…




もう戻れない時。

その“時”に戻りたいと少し思わせてしまうこの街。





だめ。絶対に。




戻るなんて。






今となってはお母さんの事故のこと


その恨みさえ忘れて


過去が美化されているような




そんな感覚がして


思わず体を奮い立たせた。








なのに。


なのに、なんで?




神様はいつも私の邪魔ばっかりする。







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