冥界の王子様
「くるかな…あいつ。」
きっとそれは冬馬くんのこと。
私は誘いたいと思っていながら
なかなかリクに言い出せずにいた。
そしたらリクは「出せよ」って
案内状を一部私に渡してくれたんだ。
「あいつがいなきゃ
俺たちはまだ平行線だったかもしれない」って
「俺も感謝しないといけない相手だから」って
リクに会いに行く勇気をくれたのは
冬馬くんだから。
自分勝手かもしれないけど
見届けて欲しい。
私たちの姿を。
「どうだろう…ね」
「それではお時間です」
スタッフの方が声をかけてくれた。
「じゃあ、また後でね」
「おう」
次リクにあうのはチャペルの中。
少しの緊張とワクワクが同時に押し寄せる。