冥界の王子様
溢れる涙がやっと止まった頃にはもう夜になっていた。
今まで溜めてきたことを全部吐き出した。
泣きじゃくりぐしゃぐしゃになりながら。
ほっとする気持ちと
これからどうしたらいいのかという不安と
りくさんは相槌を打つこともなく
隣で静かに聞いてくれた
それが心地よかった
独り言のように話せたから。
「すみません、こんなこと…」
話しすぎちゃったかな。
「辛かったな…」
そんな心配をよそに
何も言わないでいたリクが口を開いた。
「…え?」
しかも。
気持ちに寄り添ってくれたことに驚いた
「でも。
生きたくないけど死にたくもない。
これは究極のわがままなのかもしれない
まだ選択できるだけ恵まれてるのかもしれない。
辛くても生きろ。
絶対生きててよかったと思える日が来る。
生きてれば、きっと」
その強くたくましい言葉をきっかけに
私の人生は変わりはじめた。