冥界の王子様








「どうして…こんなこと?」





「あいつがお姉ちゃんを殺したの。


なのにのうのうと笑顔でいるなんて


颯はお姉ちゃんしか愛さないって

そう言ってたんだから!




あいつはいつまでもマリを愛してればいいの



あなたがどうやって漬け込んで


あいつに近寄ったのか知らないけどね。



あんたなんて遊びなんだから」








「ってことで俺たちは利害関係が一致した


お前には餌になってもらう。」







マリって。そうか


あの寝言はマリさんのことだったんだ



でその妹さんがアイリさん




きっとリクの中でまだマリさんは生き続けてて



あの夜もマリさんを。






私も被害者なのに


私だって苦しめられてきたのに。





でも、みんな被害者。








誤情報を流すのだって作戦の一つ。

して悪いことかどうかなんて



暴走族の世界では今更なことだと思う。




そんなせかいだと知っていながら

鵜呑みにした覇天統の人。





だれも幸せになることができなかった

お母さんの事故。



みんなが苦しんで


その憎しみで強くなり


自分を失った。




神さまはどうしてそんなことさせたのかな。






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