儚く消えそうな、あなたの光り.:.:*.:..*.:...



..:.::**:.:*:.**::**:..:*::.


「好きというか…毎年恒例になってるよな」


男の人は前を向いたまま、私の質問に答えた。


「このイルミネーションの点灯式を見て、実感するんだ。今年も生きてたぞーって」

ドクンー…

「…っ」

生きてたぞーって…そんなに、重い病気なの?

何て返していいかわからず、言葉が出ない。


「あ、そんな暗い話じゃないから。てか、誰だって共通することだろ?」

前を向いていた男の人が焦ったような表情で、顔をこっちに向けた。




「病気の人も、健康な人も、明日必ず生きているとは限らないだろ?」



…どういう意味?




男の人が言った意味がわからず、お互いに見つめ合う。


「えっと…」


"どういう意味ですか?"と聞こうとした時ー…



ピルル!


「!」


スマホの着信音が鳴った。


その音は私のスマホの音ではなく、男の人のスマホ。



..:.:**:.:*::.:*****:.:*:.....




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