儚く消えそうな、あなたの光り.:.:*.:..*.:...
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さっきまで隣に座っていた男の人が、いなくなっていた。
いつの間にー…
キョロキョロと辺りを見渡すが、もう姿が見えない。
「芽生、どうしたの?」
「!」
こっちに向かって走って来ていた麻衣子が、もう目の前まで来ていた。
「え…あ…ううん。何でもない」
なんとなく、さっきまでの出来事を言いたくなかった。
あの男の人は誰だったんだろう?
すぐ近くにある病院に、入院している人ではあるんだろうけど…
「芽生、見てみて!芸能人の〇〇〇を、こんな間近で撮っちゃった!!」
興奮ぎみに、スマホで撮った写真を見せてくる麻衣子。
「芽生も来れば良かったのに!握手も、してもらったよー」
「良かったね」
芸能人の〇〇〇なんかより、私はさっきの男の人の方が気になる。
「皆に送ってあげよ~!ビックリするよ、絶対!」
暗くなった道をイルミネーションが照らす中、麻衣子と駅に向かって歩き出す。
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