儚く消えそうな、あなたの光り.:.:*.:..*.:...



..:.*:.::**::***::.:*:..:*:...::*:..



さっきまで隣に座っていた男の人が、いなくなっていた。


いつの間にー…


キョロキョロと辺りを見渡すが、もう姿が見えない。


「芽生、どうしたの?」

「!」

こっちに向かって走って来ていた麻衣子が、もう目の前まで来ていた。

「え…あ…ううん。何でもない」

なんとなく、さっきまでの出来事を言いたくなかった。


あの男の人は誰だったんだろう?


すぐ近くにある病院に、入院している人ではあるんだろうけど…



「芽生、見てみて!芸能人の〇〇〇を、こんな間近で撮っちゃった!!」


興奮ぎみに、スマホで撮った写真を見せてくる麻衣子。

「芽生も来れば良かったのに!握手も、してもらったよー」

「良かったね」


芸能人の〇〇〇なんかより、私はさっきの男の人の方が気になる。



「皆に送ってあげよ~!ビックリするよ、絶対!」


暗くなった道をイルミネーションが照らす中、麻衣子と駅に向かって歩き出す。


..:*:***:..::*:***:..:**:..::*:..





< 15 / 67 >

この作品をシェア

pagetop