儚く消えそうな、あなたの光り.:.:*.:..*.:...




...::**:**:.:***:.::*:..:*:...


駅に向かって歩いていても、あの男の人とすれ違うことはない。


男の人のスマホが鳴って、"やば、バレたか"と言っていたからきっと、病院を抜け出したのがバレてしまったんだと思うけどー…

名前ぐらい聞けば良かったのかな?



" 病気の人も、健康な人も、明日必ず生きているとは限らないだろ? "


どういう意味なのかも、聞けなかったしー…



「芽生ってば!聞いてる?」

「!」

麻衣子の声でハッと意識が戻り、今自分が電車に乗っていることに気付いた。

帰宅ラッシュの時間と重なってしまったため、電車内はとても混雑している。

その中でも運良く座れたみたいで、満員電車の煩わしさはあまり感じない。


「私が無理やり連れてったから、疲れちゃった?」

隣に座っている麻衣子が、心配そうに顔を覗き込んで来る。

「いや…疲れたというか…」



ふと、麻衣子にさっきの男の人の言葉の意味を聞いてみようと思った。




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