儚く消えそうな、あなたの光り.:.:*.:..*.:...



…本当に?



「…っ」


驚きと、感動で身体が震える。


「芽生と別れた後、病院に戻ったら主治医に呼ばれてさ。ドナーが見つかったって。本当に、その時は驚いたよ。クリスマスはまだなのに、もうサンタクロースが来てくれたんだって」


嬉しそうに話す蓮さんの表情を見ていたいのに、涙で視界がぼやける。


「芽生が"明日の未来も、1年後の未来も、10年後の未来も、蓮さんが幸せでありますように"って願ってくれたから、ドナーが見つかったってすぐに思った」

蓮さんの話で、指先まで震える。


「だから、ありがとう。俺に、生きる道を与えてくれて。芽生がいなかったら俺は、生きることを諦めたまま、もしかしたら未来なんか本当になかったかもしれない」

蓮さんの言葉に、首を振る。


「私は…蓮さんに自分だけの感情を押し付けてしまったんだと、ずっと思ってて……でも…」


頬に流れ落ちる涙を、手で拭う。




「良かった…」



本当に、心から出た言葉だった。








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