【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「私共は誇りをもってお客様にサービスを行っております。それを拒否されるということは、私共に問題があるということ。どこか至らない点がありましたでしょうか?」
責任者の神永さんは、とうとうわたしの前にひざまづいてしまった。
「とんでもないです! 結婚式も今まで出たどの式よりも素敵でしたし、謝罪も十分していただきました。控えめに言っても最高です」
あわてて素直に今日の素晴らしい式の感想を伝える。神永さんはふっと笑顔を浮かべてわたしに手を差し出した。
「お褒め頂きありがとうございます。では、さっそくお着替えをーー」
「え? どうしてそうなるんですか?」
手を掴まれてソファから立たされ、やんわりと更衣室に連れて行かれそうになる。
「あなたは今、私共もサービスに満足だとおっしゃいました。で、あればこちらのお願いを聞いていてだけると判断したのですが」
不思議なものでも見るような目でわたしを見ている。
「な、確かにいいましたけど、それとこれとは――」
「では、ご満足いただけなかったと?」
悲しそうに眉尻を下げられると、なんだかわたしが悪いことをしているような気持ちになってしまう。
「別にそういうわけじゃないんです」