【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
坂上さんはまだ何かを話していたが、わたしの耳には一向に入ってこなかった。
よせばいいのに、ふと打ち合わせ中のふたりに視線を向けてしまう。
話を聞いたせいか、微笑みあうふたりがとてもお似合いに見えた。
それと同時に、暗い気持ちに身体中が支配された。
抱えきれなくなる前にわたしは坂上さんに出来る限りの笑顔を見せて、エスポワールを後にした。
駅に向かう道すがら、涙が出そうになるのを必死に耐えた。
仕事中にプライベートのことで泣くなんて、社会人失格だ。
なんとか自分を奮いたたせて、立て直す。
そのとき電話の着信があった。ディスプレイを見ると神永さんの名前。
応答ボタンを押そうとするけれど、指が震えてうまくできない。
今この電話に出てしまったら、泣いてしまいそうだ。
わたしは入社以降初めて〝お客様〟の電話を無視したのだった。
よせばいいのに、ふと打ち合わせ中のふたりに視線を向けてしまう。
話を聞いたせいか、微笑みあうふたりがとてもお似合いに見えた。
それと同時に、暗い気持ちに身体中が支配された。
抱えきれなくなる前にわたしは坂上さんに出来る限りの笑顔を見せて、エスポワールを後にした。
駅に向かう道すがら、涙が出そうになるのを必死に耐えた。
仕事中にプライベートのことで泣くなんて、社会人失格だ。
なんとか自分を奮いたたせて、立て直す。
そのとき電話の着信があった。ディスプレイを見ると神永さんの名前。
応答ボタンを押そうとするけれど、指が震えてうまくできない。
今この電話に出てしまったら、泣いてしまいそうだ。
わたしは入社以降初めて〝お客様〟の電話を無視したのだった。