【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「何を今さら」

芽衣子さんが小声で独り言を言ったのが、聞こえないかひやひやする。

「まぁ、この調子で神永さんのほうもひとつ頼むよ」

それまで課長に合わせてニコニコしていた顔が、固まったのが自分でもわかった。

「あれ? どうかしたのか?」

課長もわたしの様子がおかしいことに気がついたみたいだ。

なんとか引きつりながらも笑顔を作る。

「はい。がんばります」

わたしはそう告げると、席を立ってお手洗いに向かった。
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