【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「俺の立場上、仕事を優先しなくちゃいけないこともある。それをわかってくれとは言わない。
だけどちゃんと気持ちは伝えてほしい『寂しい』とか『会いたい』とか。それは約束して」
きっと今回のことを言っているのだろう。勝手に誤解して、勝手に逃げてしまっていた。
それで気持ちがすれ違ってしまうことがないようにと、神永さんは言っているのだろう。
「わかりました」
素直に返事をしたわたしの頭を彼が優しく撫でる。
大きな手にドキドキもするし、安心もする。不思議な手だ。
「だったら、さっそく今の気持ちを伝えてみて?」
え……それって?
チラッと彼を見ると、期待に満ちた目でこちらを見ている。
そんな顔されると言いづらいんだけど……。
恥かしくなって耳まで赤くなる。なんとか口にしようとするのだけれど、口がパクパクなる。
大きく息を吸い込んで、それから彼の顔を見ずに言った。