【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「好きです」
「五十点」

「え!? 頑張ったのにっ!」

あまりにも低い点数に、顔をあげて抗議する。

「やっとこっち向いた」

彼がわたしの顔を包んで上を向かせる。

神永さんの顔が目の前にある。恥ずかしくて顔を逸らそうとするけれど、それも認めてもらえない。

「ほら、もう一回言って。次は名前も付けて。貴哉って」

そんな熱っぽい目で見られたら、どうやって断ったらいいのかわからない。

わたしは彼に魅入られるようにして自然と愛の言葉を口にした。

「好きです。貴哉……さん」

「ん。よくできました」

笑みを浮かべたままの彼の顔が、ゆっくりと近づいてくる。

わたしはそれに合わせて目を閉じ、彼の口づけを受け入れた。

甘くとろけるようなキスに、溶かされそうになっていたとき、彼のスマートフォンの音が部屋に鳴り響いた。
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