【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「そう、では。お願いしようかな?」
「え?……何言って」
「あなたがおっしゃったんですよ。資産運用の提案をしてくれるってね」
「それはそうですけど」
まさか向こうが話にのってくるとは思っていなかったわたしは、うろたえてしまう。そんな様子を神永さんは面白そうに見ていた。
もしかしてからかわれている?
そういうことなら、わたしだってしっかり仕事させていただきますからねっ。
「そういうことでしたら、こちらへ」
ひよりちゃんが空いていると言っていた二番応接室へ、神永さんを案内してしばらく待ってもらう。
店頭にあるリーフレットを手に取って、応接室に入った。
「では、改めまして……本日ご説明をさせていただきます、尾関恵麻です」
首に下げている社員証を見せながら営業スマイルを浮かべ挨拶をすると、神永さんはニコニコと「よろしくお願いします」と頭を下げた。
他のお客様と同じく、まずはヒアリングからはじめる。
「神永様は、今まで投資関係のご経験はおありでしょうか?」
「えぇ。学生時代から」
だったら、今更うちと取引しなくても決まった証券会社で取引をしているはずだ。
「どうしてうちの会社とのお取引を考えられたのですか?」
「ん? 担当の女性に興味があった……なんていうと、怒られますか?」
「な、なに言って……! 冗談はやめてください」
ニコニコと笑う神永さんは、完全にわたしをからかっている。さすがにここまでくると鈍いわたしでも確信した。
「どうして冗談だって? どうせ難しい話を聞くなら好感の持てる相手がいいでしょう? あなたが私にどういった提案をしてくれるのか、非常に興味があるのです。都合の良いことに今日は少し時間がありますから」
「え?……何言って」
「あなたがおっしゃったんですよ。資産運用の提案をしてくれるってね」
「それはそうですけど」
まさか向こうが話にのってくるとは思っていなかったわたしは、うろたえてしまう。そんな様子を神永さんは面白そうに見ていた。
もしかしてからかわれている?
そういうことなら、わたしだってしっかり仕事させていただきますからねっ。
「そういうことでしたら、こちらへ」
ひよりちゃんが空いていると言っていた二番応接室へ、神永さんを案内してしばらく待ってもらう。
店頭にあるリーフレットを手に取って、応接室に入った。
「では、改めまして……本日ご説明をさせていただきます、尾関恵麻です」
首に下げている社員証を見せながら営業スマイルを浮かべ挨拶をすると、神永さんはニコニコと「よろしくお願いします」と頭を下げた。
他のお客様と同じく、まずはヒアリングからはじめる。
「神永様は、今まで投資関係のご経験はおありでしょうか?」
「えぇ。学生時代から」
だったら、今更うちと取引しなくても決まった証券会社で取引をしているはずだ。
「どうしてうちの会社とのお取引を考えられたのですか?」
「ん? 担当の女性に興味があった……なんていうと、怒られますか?」
「な、なに言って……! 冗談はやめてください」
ニコニコと笑う神永さんは、完全にわたしをからかっている。さすがにここまでくると鈍いわたしでも確信した。
「どうして冗談だって? どうせ難しい話を聞くなら好感の持てる相手がいいでしょう? あなたが私にどういった提案をしてくれるのか、非常に興味があるのです。都合の良いことに今日は少し時間がありますから」