【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
第二章 臨時の誓いのキス
第二章 臨時の誓いのキス
二日後、神永さんにアポイントを取るべく電話をした。
午前十時。携帯電話に連絡を入れると五コール目で出た。
〈もしもし、神永です〉
「あさひ証券の尾関です。お世話になります」
〈あぁ、尾関さん〉
「神永さん、今お時間よろしいでしょうか?」
〈はい。どうぞ……って、これ会社から電話しているんですか?〉
「え、はい。何か?」
〈いえ、プライベートな電話ではないのですね〉
「え?」
〈せっかく連絡してきたと思ったら、仕事の話ですか。それはちょっと残念です〉
それって、わたしからの連絡を待っていたということ?
ドキンと胸が大きく鳴った。しかし電話の向こうからクスクスと笑う声が聞こえてきて、からかわれているのだと思う。
もうっ! 仕事、仕事! ゴホンと小さく咳払いをして、姿勢を正す。
「要件は、先日ご依頼いただいた資産運用についてのご提案の件です。お忙しいかと思いますが、少しお時間をとっていただければと思います」
〈あぁ、そうだったね。あなたが会いにきてくれるなんてうれしいな〉
「もう、またそんなことおっしゃって……」
ちょっと呆れたわたしは冗談を取り合わず、ビジネスライクに返した。そしてアポイントを取り付けると、電話を切った。
二日後、神永さんにアポイントを取るべく電話をした。
午前十時。携帯電話に連絡を入れると五コール目で出た。
〈もしもし、神永です〉
「あさひ証券の尾関です。お世話になります」
〈あぁ、尾関さん〉
「神永さん、今お時間よろしいでしょうか?」
〈はい。どうぞ……って、これ会社から電話しているんですか?〉
「え、はい。何か?」
〈いえ、プライベートな電話ではないのですね〉
「え?」
〈せっかく連絡してきたと思ったら、仕事の話ですか。それはちょっと残念です〉
それって、わたしからの連絡を待っていたということ?
ドキンと胸が大きく鳴った。しかし電話の向こうからクスクスと笑う声が聞こえてきて、からかわれているのだと思う。
もうっ! 仕事、仕事! ゴホンと小さく咳払いをして、姿勢を正す。
「要件は、先日ご依頼いただいた資産運用についてのご提案の件です。お忙しいかと思いますが、少しお時間をとっていただければと思います」
〈あぁ、そうだったね。あなたが会いにきてくれるなんてうれしいな〉
「もう、またそんなことおっしゃって……」
ちょっと呆れたわたしは冗談を取り合わず、ビジネスライクに返した。そしてアポイントを取り付けると、電話を切った。