【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
難しいことは考えずに、食事を楽しむことにした。

 それからは、食事はおいしいし、時々からかわれながらの神永さんとの会話も楽しく時間はあっという間に過ぎてデザートが目の前あった。

 そろそろ楽しい時間も終わりだ。そうとなれば聞いておきたいことがある。

 わたしはデザートを食べていたフォークを置いて、姿勢を正した。

「あの……伺ってもいいですか?」

「ん、どうかした? いきなり改まって」

 神永さんも持っていたコーヒーカップをソーサーに戻してわたしの話に耳をかたむけてくれた。

「さきほどわたしに『証券会社の営業が勤まるのか?』と言ったのはなぜですか?」

 入社してから自分では頑張ってきたつもりだ。正直苦しいことも多いけれど、それ以上にやりがいも達成感もある。

 でも大きな会社を経営する神永さんから見て向いていないと思われたなら、理由を知りたい。
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