【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「だって、先週あそこであった結婚式に参列してきたんだけどさぁ。もう設備も社員もすごかったわよ。噂では仏滅でさえ予約でいっぱいって聞いたわよ」

 向かいの席から顔を寄せる芽衣子さんに合わせて、わたしもデスクに身を乗り出して話をする。

「たしかに、友達もそんなこと言ってました」

 うんうんとうなずくわたしに、芽衣子さんはニヤッと人の悪い笑顔を見せた。

「しっかり契約とってきて、それでちょっとお願いしてもらえない?」

「何をですか? あ、もしかして結婚するんですか!?」

「何言ってるの!? その相手を探すのよ。ケイウエディングの社長なら、すごいいい人紹介してくれそうじゃない? だからね、わたしからもお願い。ぜひ会社のためにも、わたしの将来のためにも神永さんとの契約取ってきて」

「ちょ、ちょっと。やめてください」

 両手を合わせて頼み込まれる。まさかこんな形で周囲からせっつかれるとは思っていなかった。
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