【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「え、何して――」

「どいてください。助手席に、早くしてください」

「でも……」

 まだ運転席から動こうとしない神永さんの肩を押して、無理矢理助手席に移動させた。そしてすぐに自分が運転席に座る。

「尾関さんが運転するの?」

「えぇ。何か?」

 運転席を前に移動させたわたしは、すぐにシートベルトを締めた。

「え、っとエンジンは、っと」

 ボタンを見つけて押すとエンジンがかかった。

「よし、じゃあ、ご自宅を教えてください」

 ルームミラーを見やすい位置にして、神永さんを見た。

「ああ。ナビに登録してあるから」

 神永さんがボタンを押すと、すぐにナビが案内を始めた。わたしはそれに従って車を発進させる。
< 73 / 138 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop