【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
第五章 甘い言葉はペンギンにのせて
第五章 甘い言葉はペンギンにのせて
日曜日の十三時半。
わたしは水族館のある海浜公園の駅に降り立つ。
家族連れ、学生のグループやカップルが水族館に向かうなか、きょろきょろと神永さんの姿を探していた。
少し仕事を済ませてから迎えに来てくれるといったけれど、それだと神永さんに負担がかかると思い、申し出を断って水族館のある駅で待ち合わせをすることにした。
いた――遠目で見てもすぐにわかるって、イケメンって便利だな。
十メートルくらい先、壁にもたれてスマートフォンをいじっている彼がいた。
白いデニムにカットソー。それに水色のストライプのシャツを羽織っている。いつものスーツの彼とは違うラフなスタイルなのに、通り過ぎる女性同士のグループがチラチラと彼を見て、きゃあきゃあ言っている。
彼はというと、そういうことは日常茶飯事なのか特に気にする様子もなくスマートフォンの画面を眺めたままだった。
女性の視線が集まる中、神永さんに駆け寄る勇気がない。
一応、それなりの格好はしてきたつもりだ。
いや、かなり悩んで悩んで昨日の仕事帰りに、デパートに駆け込んだ。
ひとりであれこれ見ていると時間が無くなってきてしまい、結局ショップのお姉さんに「水族館に行くので」と説明して一緒に選んでもらったのだ。
『デートですね?』って聞かれたのを、必死になって否定しながら。
日曜日の十三時半。
わたしは水族館のある海浜公園の駅に降り立つ。
家族連れ、学生のグループやカップルが水族館に向かうなか、きょろきょろと神永さんの姿を探していた。
少し仕事を済ませてから迎えに来てくれるといったけれど、それだと神永さんに負担がかかると思い、申し出を断って水族館のある駅で待ち合わせをすることにした。
いた――遠目で見てもすぐにわかるって、イケメンって便利だな。
十メートルくらい先、壁にもたれてスマートフォンをいじっている彼がいた。
白いデニムにカットソー。それに水色のストライプのシャツを羽織っている。いつものスーツの彼とは違うラフなスタイルなのに、通り過ぎる女性同士のグループがチラチラと彼を見て、きゃあきゃあ言っている。
彼はというと、そういうことは日常茶飯事なのか特に気にする様子もなくスマートフォンの画面を眺めたままだった。
女性の視線が集まる中、神永さんに駆け寄る勇気がない。
一応、それなりの格好はしてきたつもりだ。
いや、かなり悩んで悩んで昨日の仕事帰りに、デパートに駆け込んだ。
ひとりであれこれ見ていると時間が無くなってきてしまい、結局ショップのお姉さんに「水族館に行くので」と説明して一緒に選んでもらったのだ。
『デートですね?』って聞かれたのを、必死になって否定しながら。