【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
「わぁ~すごいですね」
館内に入り薄暗い通路を歩くとすぐに大きな水槽が目の前に広がった。まずは色とりどりの熱帯魚たちがお出迎えしてくれる。
実はあれからずっと神永さんに手をつながれたままなのだ。
一度入館する際に離れたのだが、中に入るとさも当たり前のように彼の手がわたしの手をしっかりと握った。
神永さんはわたしが嫌がったら、きっとすぐに手を離してくれるだろう。けれど恥ずかしいけれど嫌じゃない。
彼の手を離すことができずに、わたしはドキドキとうるさい心臓の音を聞きながら、館内を歩いた。
けれど、久しぶりの水族館で楽しみにしていたわたしは、すっかり美しい魚たちに虜になってしまう。