【最愛婚シリーズ】クールな御曹司の過剰な求愛
わたしはただ彼を少し困らせるだけのつもりだったのに。
彼はわたしからペンギンを奪うと、録音ボタンであるペンギンのピンクの右手をぎゅっと握った。
そしてわたしに聞かせるように、じっとこちらを見つめてきた。
その目の中に今まで感じたことのないような熱量を見せつけられて、急激にわたしの体温を上げた。
なんで、こっち見ているの。
動揺を隠せないわたしは、彼の行動から目が離せなくなり、ただだまって見つめ返していた。
彼にはそれがわかっているのか、射抜くような視線をわたしに向けたまま口を開いた。
「好きだよ。恵麻ちゃん」
ズキンと胸が突き上げられるような、衝撃が走った。
脳震盪でも起こしそうなほど圧倒的な色気とともに彼の低くて甘い声がわたしの体の中を駆け巡る。
ドキドキと早鐘のように音を立てる胸が苦しくて、思わず押さえてこんでしまう。
少しからかうつもりだけだったのに、これでは逆効果だ。
ますますわたしが翻弄されて、彼のことばかり考えてしまう。
わたしの完敗だった。
そうだ。彼は恥ずかし気もなくそういうことを平気で言える人だった。
「はい。ご希望通りにしたけど、よかった?」
「え、あ、はい。ありがとうございます」
お礼を言うのはなんだか違うような気もするけれど、そんなことを考える余裕なんて微塵もなくて。
気が付けばわたしは神永さんの運転する車が見えなくなるまで見送っていたのだった。
彼はわたしからペンギンを奪うと、録音ボタンであるペンギンのピンクの右手をぎゅっと握った。
そしてわたしに聞かせるように、じっとこちらを見つめてきた。
その目の中に今まで感じたことのないような熱量を見せつけられて、急激にわたしの体温を上げた。
なんで、こっち見ているの。
動揺を隠せないわたしは、彼の行動から目が離せなくなり、ただだまって見つめ返していた。
彼にはそれがわかっているのか、射抜くような視線をわたしに向けたまま口を開いた。
「好きだよ。恵麻ちゃん」
ズキンと胸が突き上げられるような、衝撃が走った。
脳震盪でも起こしそうなほど圧倒的な色気とともに彼の低くて甘い声がわたしの体の中を駆け巡る。
ドキドキと早鐘のように音を立てる胸が苦しくて、思わず押さえてこんでしまう。
少しからかうつもりだけだったのに、これでは逆効果だ。
ますますわたしが翻弄されて、彼のことばかり考えてしまう。
わたしの完敗だった。
そうだ。彼は恥ずかし気もなくそういうことを平気で言える人だった。
「はい。ご希望通りにしたけど、よかった?」
「え、あ、はい。ありがとうございます」
お礼を言うのはなんだか違うような気もするけれど、そんなことを考える余裕なんて微塵もなくて。
気が付けばわたしは神永さんの運転する車が見えなくなるまで見送っていたのだった。