家庭訪問は恋の始まり
しばらくして、今度はお茶を飲みながら、

「一人暮らしなのに、テーブルは4人掛け
なんだね。」

と瀬崎さんが不思議そうに言う。

「普段は必要ないんですけど、家族とか
友達とか来た時に、これくらいないと
不便だから。」

私は説明をした。

「そうか。
家族はよく来るの?」

「たまに。
野菜とか食べきれないくらい持って。」

「くくっ
で? 夕凪はそれ、ちゃんと食べるの?」

うっ…
痛い所を…

「食べる時もあれば、学校へ持って行って、
皆さんにお裾分けする時もあります。」

「夕凪、料理、好きじゃないんだ?」

瀬崎さんがくすくす笑ってる。

「そうですけど、何か?」

私はむくれる。

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