家庭訪問は恋の始まり
それから、数日後、ゴールデンウィーク明けの今日、嘉人くんのお父さんから、学校に電話があった。

「お電話変わりました。神山です。」

『嘉人の父です。
いつもお世話になっております。』

うわっ、低音の渋い声。

「いえ、こちらこそ、お世話になって
おります。」

『実は妻から、嘉人が障害児の可能性が
あると聞いたので、詳しい話を伺いたい
と思いまして。
仕事が終わった後、学校に伺うので、先生の
ご都合のいい日にお時間を取って
いただけませんか?』

「はい。
何時頃になりそうですか?」

『7時には伺えると思うのですが、
大丈夫でしょうか。』

腰の低い、感じのいいお父さんだな。

「構いませんよ。
今週なら、いつでも大丈夫ですが、
何曜日にしましょうか?」

『では、金曜の夜に伺っても
よろしいですか?』

「はい。では、金曜日にお待ちしております。」

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