家庭訪問は恋の始まり
それを私は一旦冷蔵庫にしまう。

「今、お茶を入れますから、
座っててください。」

瀬崎さんに声を掛けると、そのままキッチンでお茶を入れて、運んだ。

「どうぞ。」

私はお茶受けにお煎餅を添えて出すと、瀬崎さんの向かいに座った。

「ありがとう。」

瀬崎さんはお茶を一口飲んで、

「おいしいよ。」

と微笑んでくれる。

私は瀬崎さんに褒められる事が恥ずかしくなって、俯いて湯のみを眺めながら、

「あ、ありがと。」

と答えた。すると、瀬崎さんが笑う。

「くくっ
夕凪、どうしたの?
すっごく大人しいけど。」

「別に。
どうもしてないよ。」

「やっぱり、先生の夕凪より、
女の子の夕凪の方がかわいい。」

瀬崎さんがそんな事を言うから、ますます顔をあげられない。

照れ隠しにお茶を飲んでたけど、それも飲み干してしまった。

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