家庭訪問は恋の始まり
こんな事、もう何年もされた事がないから、自分でも聞いた事のない声が漏れて恥ずかしくなる。

「せ…ざき…さん、ダメ…です…
あっ… 」

私がそこまで言うと、瀬崎さんはようやく私の鎖骨の下辺りまで下がっていた唇を私の唇まで戻して、チュッと軽いキスをした。

「夕凪がかわいすぎて困るよ。」

瀬崎さんはそう言って私の頬を撫でる。

えっ!?
私のせい!?

瀬崎さんの言い分がおかしい事は分かっていても、言い返せないのは何故なんだろう?

「あ、あの、お料理しませんか?」

私が言うと、

「そうだね。そろそろ始めようか。」

と答えて、ようやく私を膝の上から解放してくれた。

今日のメインはハンバーグ。

初めて瀬崎さんのお宅で晩御飯をいただいた時に、とても美味しかったから、私からリクエストした。

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