家庭訪問は恋の始まり
空気抜きも、瀬崎さんのようにリズムよくは出来なくて、でも「空気さえ抜ければゆっくりでも大丈夫」って言ってくれて、だからあまり上手ではないけど、なんとかハンバーグの形を作り、焼く事が出来た。

たかがハンバーグ、されどハンバーグ。

私は1時間以上かけて、ようやく昼食の用意を終え、瀬崎さんとダイニングテーブルの席に着いたのは、すでに1時半になろうとする頃だった。

「いただきます。」

2人で声を揃えて、手を合わせて食べ始める。

「うん、おいしい。」

瀬崎さんに言われて嬉しくなる。

「ふふっ
ほんとだ。
私史上、1番おいしいお料理かも。」

「くくっ
そうなのか?
じゃあ、これから、夕凪史上最高をどんどん
更新していかないとな。」

瀬崎さんが笑う。

「ええ!?
ハンバーグだけでも大変だったのに。
出来るかなぁ。」

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