家庭訪問は恋の始まり
「出来るよ。
誰が教えてると思ってるの?
手取り足取り、親切丁寧に教えてあげるよ。」

「ええ!?」

その言い方、なんだか卑猥な響きを感じるのは、私だけかなぁ。

「でも、いいの?
あ、授業料は? 材料費も。」

そうだ。
私は今頃、お金の事に気付いた。
夏に冷製パスタを作ってもらった時も、私はお金を払ってない。
いくら払えばいいんだろう。

「そんなの、もう貰ったよ。」

「えっ?」

払ってないよ?

「授業料は夕凪。
今日は、夕凪にずっと会いたかったから、
ちょっと貰いすぎたかも。
ごめんな、抑えが効かない大人で。」

それって、さっきの…?

「くくっ
夕凪、顔、赤いよ。
ごめん、思い出させちゃった?」

嘘!?
もう、なんですぐに顔に出ちゃうの?
恥ずかしい。

「やだ。見ないで。」

私は、すぐに顔を手で覆った。

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