家庭訪問は恋の始まり
「そっか。
お母さんは、よく叩くの?」

「うん。
怒ると、すっごく怖いよ。」

日常的に手を上げてるのかぁ…



嘉人くんは、わがままに見えるけど、空気を読むのがうまい。

普通に喋ってても、お友達がムッとした瞬間に自分が言いすぎた事に気付いて、
「うっそ〜。ごめんごめん。
冗談、冗談。」
と謝る姿を何度も見た。

これは、もしかすると、お母さんの顔色を見て生活してるからかもしれない。


どうしたら、彼を守ってあげられるんだろう。

私は、嘉人くんに何もしてあげられない不甲斐なさから、自己嫌悪に陥っていた。

< 24 / 507 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop